先人たちが伝えた郷土の味
山人(やもーど)料理
高地にある檜枝岐村は稲作には適さない土地です。
そのため村人は昔から米に頼らない、地元産品を使った料理をおいしく食べる方法を模索してきました。それらは「そば」であり「山菜」であり「きのこ」であり「川の生き物」であり「山の生き物」でした。 そして、高価な「お米」を買うために、男達は山の中に小屋を架け、「ヘラ」や「杓子」を作り猟を行ないました。こうした山で働く男達を「山人(やもーど)」と呼び、檜枝岐の郷土料理を「山人料理」といいます。 山人料理は特別の季節に特別なときにしか食べられない物もあります。村になじみの宿を作り、何度も訪れて自然と食を味わいながら、檜枝岐の郷土料理の真髄を堪能してください。
裁ちそば
檜枝岐の独特な製法で作るそば。
全くつなぎを使用しない生そばを、2oほどの厚さに伸ばし何枚か重ね、手を定規のようにあて、布を裁つように包丁を手前に引いて切ることからその名がつきました。
はっとう
その昔、高貴な方が、あまりのおいしさに村人が食べることを「ご法度」にしたことから呼び名がついたとされています。
山椒魚
高い山の沢に生息するする山椒魚は万病の薬として扱われてきました。
子どもの疳の虫や夜尿症に効き、大人には性がつくと言われています。
塩焼き、から揚げ、天ぷらでいただきます。
酒やきもち
昔はそば粉にドブロクを混ぜ、良くこねてから焼きました。日もちも良く、体が温まり、過労の気付けにもなったので、山仕事などに持って行きました。
ばんでい
「オクラ」と呼ばれるブナの木を長方形にくりぬいた専用の臼で搗きました。
貴重だったうるち米を搗いて餅のようにしたばんでいは山仕事をする男達のご馳走でした。
春から秋に収穫した山菜・きのこや秋収穫した農作物などは長い冬に備えて色々工夫して保存されました。主に干したり塩漬けにしましたが、特に干して乾燥させると栄養価や甘味が増して一層美味しく食べられます。
いわなは檜枝岐川の清流やその支流に生息し、昔から貴重なタンパク源でした。
つめっこ
こねた蕎麦を指と拳で派さんで入れるところから「つめいる」→「つめっこ」「つめーり」等と言われました。昔は塩クジラや熊・兎肉等を入れたそうです。